ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.2-大英帝国の醜聞-
8/1 18:00-
ミュージカル 『憂国のモリアーティ』Op.2-大英帝国の醜聞-
https://www.marv.jp/special/moriarty/
銀河劇場
新型コロナウイルスが蔓延し、2020年は思うように舞台興行がままならない昨今ではありますが、ずっとずっとずっと楽しみにしていた表題作、観に行ってまいりました。
通称モリミュ。
今年の1月に同タイトルの舞台版を見に行って相当こき下ろしたのですが(楽しみにしていた反動がひどかった)、そのモヤついていたところを余すところなく全て補てんしてくれました。
本当に観に行けてよかった。
第一弾はタイミングが合わず観に行ってなかったのですが、悩みに悩んだ結果円盤を購入、自宅で再生しドハマりしておりました……
なんで観にいってなかったのかいまだに後悔。
(タイミングがね、悪かったんですよ……あぁでも観にいっておけば)
(行かぬ後悔先に立たずってね)
まず冒頭。
OPが大英帝国(第一弾と同じ)で本当に、本当にうれしかった……!
生でこの歌を聞けた!という感動とさらにブラッシュアップされている感動とあとは久しぶりに見れた生歌演劇に感情そこそこデカマンとしては涙せずにはいられなかったです。
ッハーーーー楽しかった。
/追記
地上の悪魔はここにいる
で下を指さすウィリアム解釈一致過ぎてテンアゲした。
前作同様舞台としてだけでも説明不足がないところがすごいモリミュ。
原作はおろか、1作目を見ていない人にもそれなりに背景はわかるように人物紹介を軽くさらってくれるの最高に親切だと思いました。
今作はOp.2と銘打っていることもあり、完全に前回の続きとして始まります。
前作の第3話緋色の研究で犯罪卿へつながる鍵の断片をつかみ損ねたシャーロックが、その後心震える事件に出会えず、ストレスMAX、SAN値MAX。
タバコすっぱすっぱすっちゃってるわけです。
まだ薬にまでは手を出してない、かな。一応。
/訂正
2回目見てきたら完全にやってましたね~~~~~!!幻覚症状までしっかりおきてました!!!!
機嫌悪くて早口のシャーロックとご機嫌シャーロックの早口の演じ分けが絶品でした。
さすが平野良!という印象。
(良さん生観劇数が多くないので知ったかぶりになることご了承ください。)
機嫌悪いシャーロックの胡乱な目、病んでる目、最高に痺れました。
視線で闇を語り過ぎでしょ。最高。ありがとうございます。
ご機嫌斜めシャーロックが感情の高ぶりを抑えるためにヴァイオリン構えた時はゾクゾクしました。
シャーロック・ホームズがヴァイオリンを構える、ってすごい陳腐な言い方をすれば萌えません?
そして、舞台上で対になる形で林さん(ヴァイオリニスト)が生演奏しだした時の鳥肌。
オペラグラスで良さん注視し過ぎてて気付くのが遅れてしまったんですけど、
良さん8割方背中向けてたんですよ、客席側に。
林さん立ててるんだなぁと。素敵かよ……。
/訂正
全景で見てたら林さんと完全に対になる形で演じてらっしゃったわ。
背中向けたタイミングはジョンが話し出したとこでした。
演奏しながら後退りで定位置に戻る林さんすごいなと。
音楽隊の演奏生で聞けたのもテンションあがりました。
感動が拍手でしか伝えられないこの世界が悲しい……。
第一楽章「バスカヴィル家の狩り」
フレッドがまた一つウィリアムに惚れこむきっかけのストーリーですね。
フレッドにとってアンダークラスの孤児が食い物にされているのは見過ごせない、でも一人でどうにかなる話でもない。
通称人狩り退治は既に1度行ってしまったから同じ轍を踏ませるなんて、と思い悩むフレッドに気付いて本人に話にいかせるモランはマジで仕事の出来るいい男なんだよな。
/追記
モランがフレッドに話しかけるフレェッッドの歌い方超好き。超超好き。
あとルイスはまじでお兄ちゃん大好きソングばっかだな。
/追記
アルバートとルイスでウィルに向かって歌うのとても良いです。
ウィル大好きーずの名に恥じぬ(名乗ってない)
この辺から薄々察してはいたのですが、殺陣上手な人しかいないな??????
アンサンブルも含めて全員つよつよのつよでした。
この話はそれぞれで各個撃破していくので個々の見せ場もあるし、
見ごたえありました。
時間経過がわかりにくかった(フレッドが噂話を入手してから襲撃完了まで半日くらいしか経ってないんだよね?確か。)のが難点かなとは思いました。
原作では闇夜に紛れて襲撃するのでみんなフードつきコートみたいなのきてたけど、
そこまではしてませんでしたね。
確かになくてもいいとこですもんね。
ここでも大英帝国の産めよ!増やせよ!家畜ども!をもう一度聞けるとは。
地上の悪魔がここにいる限り歌われ続けるのだろうな。
ルイスは前作で吹っ切れてることもあり、殺陣キレッキレ。
思い悩むこともなければ第2楽章でシャーロックにやきもきする程度であとは全力バトルって感じ。
強キャラとして出てくるマイクロフトまじで強キャラ。
アルバートがマイクロフトにウィリアム紹介?するとこめちゃめちゃドヤ顔するじゃんwwwって思って見てました。
これがw俺のw自慢の弟です~~~~~~って感じ。
最初にマイクロフトとアルバートが揃ったとき、早々にMI6の説明いれてくれたのとても親切だなって思いました。
今回もウィリアムさんまぁタッカイ声出させられて。
アクマヨー
最高の鈴木勝吾。
定期的に何度もあるんですけど、ウィリアムだけ違う歌詞で、他がハモってるのがすごい関係性オタクに刺さってしまった。
アクマヨー
ウィリアムだけ見てるところがちがうんですよ。
同じ場所を見ることが出来るのは、シャーロックだけ。
第2楽章で邂逅した時、シャーロックと掛け合いあるし、というかそもそも
大ラスの歌だってそうじゃんね……
ウィリアムと同じ世界が見れるのはシャーロックだけなんですよ……。
アクマヨー
/訂正
2回目みて大ラスの歌にかこつけるのはさすがに言い過ぎかなっておもいました。
/追記
月夜の誓いが良すぎてですね……
今すぐもっかい観たい。
第2楽章「二人の探偵」
♪キャァァッチミィ~イフユーキャァァァン
ウィリアムとシャーロックによる推理合戦ストーリー。
ヨークまでの旅が不発に終わり、テンションガタ落ち、ジョンのことも怒らせてしまってイライラMAXのシャーロックがウィリアムを見つけてテンション爆上げ。
電車乗ってる演出めちゃめちゃ好きだったな。
あぁいう描写?表現って座席を客席から見て垂直にされがちなんだけど、
あの角度でOK。
演者の顔が見えた方がよほどうれしいし、そもそも想像力が働く。
どんな場面においても見えないことって観劇ではかなりストレスなんですよね。
列車で事件が発生し、ウィリアムとシャーロックの二人でサクサク推理をすすめるシーンの見てる側が置いてかれてる感、実に痛快でした。
そういうことなんだろうな。
二人が見えてる世界が一緒で、二人にしか見えてない。
二人それぞれで推理を固め、ウィリアムが犯罪者心理から、シャーロックは状況整理と推測から、各々語った後にそれを重複させずに「────というのが俺らの共通見解」とまとめたの脚本完ぺきでした。
/追記
初見で気付けなかった(悔しい)のですが、ウィルが「メガネのつるに血が」って言い出した途端にシャロが動き出して乗務員全員チェックしてましたね……その後の「ハッタリが俺より上手」の説得力がマシマシでした……。素晴らしいよ……生きてるよ……憂国のモリアーティのシャーロックが生きてるわ。
第2楽章ラストでシャーロックが乗車するとわかってて乗り込んだウィリアムの思惑を知って感嘆するモランたち可愛かったです。
モラン、フレッド、ルイスの
""""♪シャーロック・ホームズ""""
の突然の美声めちゃめちゃ好きです
何回も聞きたい。
あと喧嘩してたシャーロックとジョンの仲直りめっかわでした。
謝ってるように見えないシャーロック。
グラスの氷指でグルグル回しちゃうのシャーロックらしすぎてキュンてした。
ずるい。良さん……
今すぐもっかい観たい。
第3楽章「大英帝国の醜聞」
今作のメインタイトルです。
最高でした。
何より一番大変であり、一番見どころであるアイリーンの変装術ですよ。
完全に全部お一人でやってくれました。
お見事です。
そうなの、それが見たかったの、という気持ちです。
あのゴッチャゴチャした話をさらにゴッチャゴチャにしてよくまとめあげたな、という素直な感動をしました。
真実を生歌で聞けると思ってなかったので、本当に感謝。感謝感謝圧倒的感謝です。
あと演技ド下手クソ設定ジョンくん思ったより演技悪くないwwwテンパリマンだったかな、パッと見ではわからないけど、みたいな。
良さんのオタクへのサービスなのかなんなのか正装シャーロックめっちゃめちゃテンションあがりました。なんなん……紳士……なんなん……前髪ないのいいじゃん……なんなん……
/追記
2回目の観劇が8/2ソワレだったんですけど、正装で帽子外した時にサイドに寄せてた髪の毛がきれーーに眉毛に乗ってしまってて……御本人もなんならアイリーンもなんとかしようとがんばってたけどどうにもならんくて、正装パートの8割くらいなおせなかったことがめちゃめちゃ惜しい。
誰のせいでもないのがまた。
ボヘミア国王()から依頼→アイリーン宅襲撃→ボヤ騒ぎが大事に→221Bで同居することに→ハドソンさんへ御目通り、
あたりで上手扉からスタッフさん入ってきて、めちゃめちゃ客席撮影してて動揺してしまって集中できんかった……(座席の真横だったんですよね)
そんな堂々と(比喩表現)客席撮影のために入ってくるの見たことなかったので……
何用なんだろう……
このシーンだったのは明るい曲だったので、客席全体すら明るくなるし、華やかな音楽だから目立ちにくいからかなとは思いました。
※決してクレームではないです。私が反応しすぎなんだと思います。
ハドソンさんが着られなかったドレスを渡して、アイリーンがそれに着替えて出てくるシーンの早替え完ぺきでした。
(舞台版とは大違いだなksg)(ハドソンさんが渡したドレスと着てきたドレスのデザインすら違ったの許してねェからな)
上半身はストール外して、下半身は上から巻きスカートみたいな感じでフレアスカートを巻いたのかなと思いますが、印象がらっと変わったので、あの短時間で素晴らしいなと。
/追記
下半身は外したのかな?と思いました。
巻き付けてたドレスを。
ハドソンさんが素敵!と買ったはいいけど着られなかった、という説得力あるデザインでした。素敵。
そのあとお買い物先で少女たちの諍いからの川飛込みの演出も素晴らしかった。
そうそれだよ!!!!!!!!!!!!!って何度も思った。
シャーロックが背中向けて下手側に投げた浮き輪を手前のアイリーンが上手側で受け止めたのわかってやってるなぁと改めて構成ににっこりしました(そもそもアイリーン正面では下手側にいるんだから背面なら上手に投げてあげてよシャーロック、とは思いましたが)。
/訂正
ちょっとここは穿って見すぎたかもです。
上下は意識してたかも。
シャーロックがアイリーンにジャケット差し出すとき、裏地がしっかりしていてこれまたにっこり。
そういう細かい作り大好き。
仮面舞踏会での犯罪卿ゲームも説明しっかりしてくれてたことと、
それぞれワイングラス持ってるんですけど、どうにも揺れてるように見えて、
でもこぼれないのなんでだ??????ってなりまして、思わずしっかりワイングラスみたらしっかり中の塗料波打たせてんのwwwすごいwww本気wwwってなりました。
そういう細かい作り大好き(二度目)。
あと好色男爵がメイドに声かけてキミカワウィーネしてましたけど、赤澤くん今回も女装お似合いで笑ってしまった。
マジでかわいいですよ。
タシカニメイド服着るとちょとゴツイですけど、顔がいい。かわいい。
/追記
終盤マチルダ(?)と並ぶシーンで思ったよりずっと顔が似てて、わぁってなったことと
立ち姿や去り方でも身長差をなくすために膝曲げたままだったのはとても良い。素晴らしかったです。
同時進行でモラン側、アルバート側の話が進んでいくのドキドキしたな。
あとはまぁ原作通りなので。
教会を完全に包囲している!キリッはあれ場内全体使って演出やりたかっただろうなって。
臨場感でるもの。
私たちも包囲している側に加われるし。
モラン&ルイスの殺陣めちゃめちゃすごかった。
あ、殺陣すごかったで言えば、アルバートがマイクロフトのところで色々話してる時に『君が我が国にとって敵なのか、味方なのか』ってとこでアンサンブル2名による殺陣があるんですけど、そこのお二人めちゃめちゃ上手でした。
誰だったんだろうナァ……さすがに見えんかった。
アイリーンが事実上死んで、それをシャーロックが察して、封書を燃すシーンすごいよかった。
一人にしてくれ、って言ってずーっと一人でタバコ吸ってて、タバコ吸ってるから灰皿もあるし、マッチもある。
そういう細かい設定に違和感のないシーン大好き。
そんで大ラス、ここでまたCatch me if you can持ってくるの天才の所業。
一生二人で遊んでてほしい。
▼
前半でフレッド、後半でモランに。
それぞれに思い入れのあるストーリーくれて、見せ場もあったの最高かよ……って思いました。
今作はアルバートもがんばりました。よくできました。
代わりにウィリアムの出番が少なかったかなぁって。
仕方ないんだけどね。
終盤いる必要なさそうだったけど、参加してた印象ある。
原作だってシャーロック陣営の話になると全然出てこなくなるし(最近とんと見てない気がする)。
そもそも黒幕はあまり派手に動くものではないしな。
犯罪卿はラスボスであってしかるべき。
劇中歌、3人いて3人異なる歌詞でうたったりするの本当にあたおか。
最高だったので今すぐ円盤欲しいです。
歌上手い人そろえて歌わせるの最強だなって改めて、脳が爆発してしまう。
/追記
どこに追記するか迷ったんですけど、
1幕スタートはモリアーティ組が高い位置で1幕終わりはシャーロック組が高い位置で入れ替わるの最高に滾った。
シャーロックが1人椅子に腰掛けてるのも超好き。
途中マイクロフトが『弟には自由に生きて欲しい』って仰いましたけど、
ダブルミーニングなのかな、とは思いました。
モリアーティプランではウィリアムがすべての罪というか憎悪を引き受けて死ぬ方向ですすんでますけど、アルバートとルイスがそれを果たして許すのだろうか、という。
そこは原作のお楽しみ、かな。
いやまぁ十中八九谷底に堕ちるんでしょうけども。
あーーーーーたのしかった。
今すぐもっかい見たい。
また次回見たら追記もしくは編集するかもしれません。
舞台「カレイドスコープ─私を殺した人は無罪のまま─」
独自の解釈とネタバレがございます。
観劇前に見るのはあまりオススメではございません。
ただ、観劇ってたのしいな、いいな、って思える作品でしたので
見ようかどうしようか迷っていらっしゃる方は是非。
オススメです。
観劇備忘録
2020/2/24 17:30-
「カレイドスコープ─私を殺した人は無罪のまま─」
演出:吉谷光太郎さん
舞台に行くようになってまだまだ浅いのですが、それでもわかるほどの役者の人選と吉谷演出。
これは観に行きたいよね、観に行くしかないよね、と友人と言い続けていたのですが、別現場とかぶってしまい、決めあぐねていたのですが、なんとか観れました……!
今、この文章を書き始めた時に改めて思ったのですが
「私を殺した人は無罪のまま」
って副題深読みするとめちゃめちゃしんどいな??????
後述します。
ストーリーは、半年前に娘が自殺した(と思われる)父と、
その『真実を追求する』ために集められた10人による密室会話劇です。
詳細は公式HPへどうぞ
http://kaleidoscope-stage.com/
感想:観てよかった。本当に。
映像化されないの勿体無いと思いつつ、これは現地で観るべき舞台だと思ってもいます。
中央ステージの利点を存分に活かした作品だと思いました。
しんどかった。
終盤引くほど号泣してた。
嗚咽こらえるの必死(漏れてなかったと信じてる)で、顔面ボッロボロになりました。
いやまぁなんなら序盤~解決編()までは嘘だろ、そんなオチなの?いや、まさかね……ふぅん……かなしい……でもさぁ……(おこ)みたいな気持ちでいました。
そこから二転三転して最終結論でもうへへへへへへへ。
全編通していらない伏線がなく、全部必要な要素でした。
開場17:00で、私は17:10くらいに座席についたんですけど、最初座席間違えてんのか????ってくらいごくごく自然に場内にかすみちゃんがいてですね……。
黙々と雑誌読んでるんですよ。
定期的に座る椅子を変えて移動しながら。
雑誌毎日同じだったらもう飽きたろうなぁ……
そのまま時間になったら自然とはじまりました。
▼健一(山本裕典):めちゃめちゃ目立つ黄色いパーカー着てるなぁって思ってたんですけど、最初の暗転?ちがうな、ピンク色のライトのみ残して照明が消えた時に一人だけめちゃめちゃ赤いな……って思ったんですよ。
黄色って、ピンクをあてると赤くなるのか……なんてかるく思ってました。へへへへへ。
終始何をしたいのかわからない、通称『決を採りたいマン』。
凌平(富田翔)の味方なのかなんなのか。
何がしたいんだ???コイツは……の疑念がずっとついて回ってました。
なんなら祥子(西丸優子)(凌平の姉)に『現実見なさい!いつまでたっても演劇なんて夢見て、アナタとうちの弟の出来の差よ!!!!』みたいなこと言われてる時、何も言い返さないのなんでだ……???って思ってました。結果気にしてないわけなかった。そらそーな。
その時どんな表情してたか見たかったなぁとは思いました。見えぬ角度でした。
最初から口を出すところと出さないところがあって、司会進行を自称する割にただの口論になった時に全く出てこないのがお前……って思ってました。
役者をしているからなのか妙に演技じみた話し口調だったり、立ち振る舞いだったりが目立ちました。山本裕典の見栄えと一致して、すごくよかった。
↓ネタバレ
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